ハンドボール男子は興南、女子はコザが頂点 九州高校選抜県予選


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興南―那覇西 後半、劇的な逆転ゴールを決めた興南の嵩西遥斗=19日、県総合運動公園体育館(高辻浩之撮影)

 ハンドボールの第50回九州高校選抜大会県予選は18、19の両日、沖縄市の県総合運動公園体育館で準決勝と決勝が行われた。決勝は男子の興南が残り6秒で逆転弾を決め、27―26で那覇西に競り勝ち、5年連続31度目の優勝を飾った。女子はコザが浦添に32―21で勝利し、29年ぶり3度目の頂点に立った。優勝、準優勝した4校は来年2月に大分県で行われる全国選抜大会出場を懸けた九州大会に推薦される。

興南・嵩西 残り6秒、決勝弾 最大6点差、劇的逆転

 残り6秒。敵陣でのリスタートからラストパスを受けた左サイドの1年嵩西遥斗がコーナーから駆け飛んだ。GKとの1対1。「いつもなら打たない」という厳しい角度だったが、着地ぎりぎりまでGKの動きを見定め、ボール1個分の隙間を抜き、サイドネットに突き刺した。最大6点差を縮めての劇的な逆転弾。嵩西は「テンション上がりすぎてあまり覚えていない」ほどの喜びを爆発させた。

 前半終盤に連続5失点で逆転され流れを持っていかれた。後半の立ち上がりも連続3失点で6点差。劣勢の興南は横一線を基本にした守備から真ん中を高い位置に置く3―2―1に変えて、守りから徐々に攻撃のリズムを取り戻す。早い展開で両サイドが攻撃しやすい状況をつくりだし、攻勢を仕掛け、最終盤でついに背中を捉えた。

 タイムアウトで最後のシュートを託された嵩西。身長160センチと小柄ながら精度の高いシュート力を発揮し、後半起用で既に5得点していた。前のシュートでGKの左脇下を打ったことも布石に、今度は上側を狙い駆け引きにも勝利した。

 厳しい戦いを制した中島大智主将は「追い上げ切れたのは成長を感じる」とうなずく。九州大会に向けて「目標は全国制覇」と九州予選の突破を誓った。
 (謝花史哲)

コザ29年ぶり女王 後半加速、目標の30点台

 後半一気の加速でコザが浦添を圧倒し、29年ぶりの制覇を成し遂げた。目標の30点台に乗せての勝利。佐平牧生監督は「後半、しっかり強気にいけたのは良かった」と九州大会への手応えをつかんだ。

 浦添の高めの守備に攻めあぐねたが、後半立ち上がり、前半は消極的だった右バックの田里優生子が2本立て続けにロングシュートを放つ。得点にはならなかったが、果敢な攻めが相手守備を受け身にさせる。

 直後、司令塔の平良心愛とポスト西田こころの連係プレーが生きるなど勢いに乗った。GKの松堂美姫は好セーブを連発、エース名嘉陽菜は10得点を挙げた。平良は「全国でも通用するメンバーと思う。九州で優勝して全国へいきたい」と目標を語った。
 (謝花史哲)