相続・贈与税の申告漏れ31億4300万円 沖縄国税20年度


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 沖縄国税事務所は16日、2020事務年度(20年7月~21年6月)に実施した相続税、贈与税の調査結果を発表した。相続税の申告漏れ課税価格は、実地調査と、電話や文書による「簡易な接触」の合計で、前年度比10.4%減の31億4300万円となった。加算税を含む追徴課税の合計は同39.5%減の3億6300万円だった。

 新型コロナウイルスの影響で実地調査件数が同45.2%減の40件と減少した。簡易な接触は同2.3倍の112件と増加した。実地調査で確認された申告漏れのうち、意図的な隠蔽(いんぺい)など不正に科される重加算税は同14件減の3件。

 贈与税の調査は、申告漏れなどの件数が同47.4%減の41件、申告漏れ課税価格は同86.6%減の1億7400万円だった。

 相続税の調査で申告漏れが確認された財産の内訳は「土地」が6億4700万円と最多で、生命保険など「その他財産」は5億6200万円、「現金・預貯金等」は1億9900万円だった。

 相続税調査の事例として、親から生前に現金を受け取っていたが、貸付金として申告書の記載が漏れていた例や、親が亡くなる前に定期預金口座を解約して現金約4千万円を自宅に隠し、他の相続人や税理士にも伝えなかった例などを紹介している。
 (沖田有吾)