琉大の養殖ミーバイがホテルメニューに 来年からオリオンモトブリゾートで提供


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養殖した「琉大ミーバイ」を使って開発された4種類の料理=21日、那覇市のホテルロイヤルオリオン

 高級魚のミーバイ(ヤイトハタ)の陸上養殖技術開発プロジェクトに取り組む琉球大(西原町、西田睦学長)とオリオンビール(豊見城市、村野一社長)は21日、那覇市のホテルロイヤルオリオンで養殖したミーバイを活用したメニューを発表した。4種類の料理を、2022年4月をめどにホテルオリオンモトブリゾート&スパ(本部町)で提供する。

料理を紹介する琉球大の竹村明洋教授(右)とホテルオリオンモトブリゾート&スパの宮本幸雄エグゼクティブシェフ

 琉球大は、再生可能エネルギー事業のメイキット(東京都、丸山聖司代表)から依頼を受けたことをきっかけに、18年に研究を開始した。20年4月にオリオンビールが研究に参画し、ビールの製造過程で生じる麦芽粕(かす)を餌として提供している。薬剤やホルモンは使わず、塩分濃度の調整や青い光を当てることで成長を促進する研究をしている。現在、「琉大ミーバイ」として商標登録を申請している。

 オリオンは、産業化に向けて付加価値を高めるために、メニューを開発した。ミーバイを使ったアクアパッツァ、香り蒸し、ベニエ(衣揚げ)、磯辺巻きの4種類。モトブリゾート&スパの宮本幸雄エグゼクティブシェフは「養殖場からの距離が近く、生きたまま調理場に持ってこられる。品質はとても良い」と話した。

 プロジェクトリーダーを務める琉球大理学部の竹村明洋教授は「将来的には再生可能エネルギーで養殖場の電力をまかない、水産業と農業を一体化して完全循環型のシステムを作り沖縄モデルとして世界に広げ、食や貧困の問題の解決につなげたい」と話した。
 (沖田有吾、写真も)