「男子の長髪も認めて」「LGBTQのトイレを」多様性尊重する学校に 豊見城中で「人権教室」


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玉城直美さんの「性の多様性」に関する説明を聞く生徒ら。他の七つのクラスはオンライン配信で学んだ=3日、豊見城中学校

 【豊見城】「男子の長髪も認めて」「LGBTQのトイレをつくる」―。豊見城中学校の2年生(280人)のフロアに3日、「性の多様性」を尊重する学校にするための意見があふれた。沖縄キリスト教学院大学准教授の玉城直美さんが講師を務め、生徒たちは照れながらも素直な思いを語り合い、性別によって左右されないよりよい学校の在り方を考えた。

 授業は市が人権意識を育み、多様性を認め合うまちづくりを目的に「人権教室」と名付け実施した。玉城さんは2年6組の教室で、セクシュアリティー(性の在り方)などについて説明し、他の七つのクラスにオンライン配信された。

 「人には、からだの性、心の性、好きになる性の、三つの性がある」。玉城さんの講話に生徒たちはうなずき、メモを取った。玉城さんは性を自分で決めていい「自認」の大切さを伝えた上で、性的少数者の性を勝手に他の人に伝える「アウティング」はやってはいけないことだと強調した。 生徒たちは玉城さんの説明を受け、性の多様性について認める学校づくりに向け、各クラスでワークショップ形式で課題を出し合った。

 授業の最後は各組の代表者が6組の教室に集まりそれぞれの意見を発表した。「体育などで着替えるとき、LGBTQの人が着替える場所がない」「男女で席が分けられている」。次々に具体的な意見が出た。

 授業を終え、三橋海斗さん(13)は「性によって差別しては駄目だと学んだ」と話し、瀬名波雅さん(14)は「相手のことを理解して、一つ一つの言葉に注意していこうと思った」と語った。
 (照屋大哲)