バスケットボールの全国高校選手権は23日、東京の駒沢体育館などで開幕し、1回戦に臨んだ女子の西原は足羽(福井)に53―81で完敗した。高さのある相手に対し序盤こそ3点弾とドライブで得点して食らい付いていったが、第2クオーター(Q)をわずか8点に抑えられ、一気に突き放された。男子の美来工科は24日午後3時40分から、東京体育館で東海大諏訪(長野)と1回戦を行う。
高さのある相手の守りで西原は難しいシュートが目立ち、第1Q開始から6分を過ぎても3点しか奪えない。ここで流れを変えたのは159センチながら高いシュート力で存在感を放つ宮里綺羅乃だ。「スリーを読まれていた部分もあった」とマークが厳しい中で、3点弾とドライブを決めて逆転に成功した。
しかし、この試合でのリードはこの時のみ。中を攻められてファウルがかさみ、持ち味である激しい守備からの速攻は影を潜めた。普段苦しい場面で得点を挙げるエース中村望愛も1対1で相手の堅守を打開できず得点ゼロ。宮里はチームでただ一人の2桁得点となる23得点と奮闘したが、チーム全体のシュート成功率は2割台に落ち込み「守備でペースをつかめず、なかなか得点もできなかった」と敗因を語った。
宮里や中村など主力に2年生が多かったこの世代。2人は2年続けてこの舞台に立った。3年の磯本愛思主将は目を赤くして「来年はベスト8以上を目指してほしい」と後輩にエールを送る。今回初めて全国大会で指揮を執った金城末美監督は「私も含め、1、2年生にとっては今後の成長につながる試合だった。
来年借りを返すつもりで、彼女たちが変わっていくことに期待したい」と前を向いた。
(長嶺真輝)
▽女子1回戦
足羽(福井)
81―53(16―14,23―8,23―15,19―16)
西原
悔しい高校最後 大学で成長誓う エースガード知名
高校最後の全国は、悔しい結果となった。エースガードで3年の知名梨里亜は「もっとチームでがつがつした守備がしたかった。個人としても(得意の)ジャンプシュートができず、逃げたプレーしかしてない」と自省を込めて振り返る。
それでも2年続けて全国の舞台で主力を張り「高校ではみんなで声を掛け合い、楽しみながらバスケができた。大きな経験になった」と笑顔も見せた。
大学でも競技を続ける。「3点弾やドライブ、ゲームメークの面でも成長し、応援してもらえる選手になりたい」と次のステップを見据えた。
(長嶺真輝)