バスケ美来工科「勝てるゲームだった」 夏の8強に土壇場で逆転負け ウインターカップ


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 バスケットボールの全国高校選手権第2日は24日、東京体育館などで行い、1回戦に臨んだ男子の美来工科は東海大諏訪(長野)に84―87で競り負けた。高さのある相手に対し、前線から当たる激しい守備と高確率の3点弾を武器に前半で最大24点のリードを奪った。しかし、じわじわと追い上げられて第4クオーター(Q)終盤に逆転を許した。


夏の8強と互角に戦う 土壇場追い付かれ、力尽きる
 

相手のプレッシャーをかいくぐってレイアップシュートを放つ比嘉一竣(左)=24日、東京体育館(写真提供:日本バスケットボール協会)

 試合時間、残り約3分。第1Qで大量37点を奪って保ってきたリードが尽き、土壇場で追い付かれた。しかし美来工科の宇地原尚彦監督にとっては「想定内」だった。選手を鼓舞する。「あとはどっちの方が勝ちたい気持ちが強いかだ」

 2分を切って勝ち越されたが諦めない。相手ビッグマンに付かれた2年の比嘉一竣がスピードの優位性を生かし、「自分から流れを変える」と1対1で積極的にドライブを仕掛ける。立て続けに得点を挙げ、再逆転に成功した。

 残り24秒で4点差とされたが、今度は上間玖龍が3点弾を沈めて1点差に。ファウルゲームに持ち込むもフリースローを確実に決められ、万事休す。試合終了のブザーが響き、選手たちは泣き崩れた。10点リードで迎えた第4Qにリバウンドを支配され、シュート成功率も落ちた。大久保駿矢は「詰めの甘さが出た」と悔しそうに振り返った。

 ただ、今夏の全国総体で8強入りした強豪を最後まで苦しめたのは間違いない。小柄ながらオールラウンドにプレーできる5人全員がスリーポイントライン付近に構え、優れた個人技や連係プレーで得点を重ねた。高い位置から当たる守備で何度もミスを誘った。

 次の世代の中心となる比嘉は「勝っていれば自分たちもベスト8までいけたかもしれない」と全国と戦える感触をつかんだよう。来年に向け「夏と冬で8強を目指したい」と力を込めた。

 (長嶺真輝)


「勝てるゲームだった」島袋主将、声震わせ涙
 

相手を交わしてシュートを放つ島袋王鳳(右)(写真提供:日本バスケットボール協会)

 試合終了後、島袋王鳳主将がうつむき加減で言った。「勝てるゲームだったのに自分が決めきれなかった。追い上げられてみんなが焦ってる時に、ガードの自分が落ち着かせられなかった」。前半でファウルトラブルに陥って出場時間が減り、シュート成功の割合は11分の4と伸び悩んだ。声を震わせ、涙が止まらなかった。

 自身は卒業後、関東の大学でバスケを続ける予定。「関東はレベルが高い。試合に出て活躍したい」と飛躍を描く。自身の年代で美来工科を強くし、16年ぶりに冬の全国大会に戻る原動力となった。「2年生にはこの舞台を経験した選手が多い。後輩たちにも頑張ってほしい」とエールを送った。

 (長嶺真輝)