新年の健康と幸せ祈願 首里城円覚寺で若水奉納


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「美御水(ヌービー)」を奉納するノロ役の女性ら=26日午後、首里城の円覚寺総門前

新年に向け、国頭村辺戸の大川で取水した「若水」を首里王府に献上する「美御水(ヌービー)の奉納祭」が26日、那覇市の首里城円覚寺総門前であった。ノロ役の女性が浦添市沢岻の樋川(ヒージャー)で取った水を混ぜ合わせて奉納した。

「円覚寺奉納」は琉球王国時代、新年を迎えるに当たって王国の安寧(あんねい)と国王の健康長寿を願い行われた。旧暦12月20日に使者を辺戸大川に派遣。御水取りを行い、辺戸ノロが祈願した「若水」を徒歩で運び、同28日に円覚寺に保管。元日未明、王府に献上されていた。

2018年までは、美御水を王府に献上する儀式も再現していたが、19年の火災による首里城焼失に伴い、今年も奉納式のみが行われた。主催した首里観光案内所の山城岩夫代表(68)は「今年もコロナ禍となったが、来る年の人々の健康と幸せを願い、首里城と地域の平和と発展を祈ることができた。沖縄の固有文化を次世代へ継承したい」と語った。 (中村万里子、写真も)