町民の2人に1人が原告に 子育て世代の参加増 嘉手納爆音訴訟


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米軍嘉手納基地

 【嘉手納】原告3万5千人を超える国内最大規模の集団訴訟となる第4次嘉手納爆音訴訟で、嘉手納町では町民の2人に1人にあたる7752人が原告となった。町民の3人に1人が原告だった第3次と比べ2836人の増加となった。訴訟の認知が広まったことや、子育て世代の参加が原告数の増加を後押しした。

 町の8割を米軍嘉手納基地が占める嘉手納町では、町民は日常的に戦闘機の騒音や深夜早朝の航空機のエンジン調整音に悩まされている。町によると2021年に屋良地域で、最も多い月で1日平均46回の航空機騒音が発生した。

 同原告団嘉手納支部の福地勉支部長は「多くの町民が爆音の異常さに気付き、表現するようになった」と話す。嘉手納町は町全体がうるささ指数(W値)75以上で、町民全員が原告の対象となる。福地支部長は「町民が等しく騒音被害を受けているので、この原告数はまだまだ少ない」と訴える。

 読谷支部も原告数が3400人となり、第3次訴訟と比べ4・65倍となった。第3次訴訟で読谷村座喜味以北が損害賠償の対象として認められたことへの周知が広まったことや、恩納村真栄田が今回の第4次訴訟で対象に含まれたことも増加につながった。
 (石井恵理菜)