「しまくとぅば話せる」25% 5年で15.8ポイント減 泡盛好き、模合参加も減少<復帰50年・琉球新報県民意識調査>


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 沖縄の日本復帰50年の節目を前に、県民像やその変化を探ろうと、琉球新報社は昨年11月、県民意識調査を実施した。調査は2001年、06年、11年、16年に続き5回目。「しまくとぅばをどの程度使えるか」との質問に「聞くことも話すこともできる」と答えた人が前回から15・8ポイント減って25・4%にとどまった。話せる人は4分の1程度となり、危機的状況が浮き彫りになった。泡盛を最も好きと答える人や模合の参加者も減少の一途をたどり、特に若年層でその傾向は強い。沖縄独自の文化や慣習への意識が大きく変化していることがうかがえた。

 しまくとぅばについて「どう思うか」との質問に対して、愛着があると回答したのは「ある」「どちらかと言えば」を合わせて77%となり、好意的な意見が大部分を占めた。だが、どの程度使えるかについては「聞けるが、話せない」「ある程度聞けるが、話せない」「まったく聞けないし、話せない」の合計が72・8%に達し、話せない人が大部分を占めた。琉球諸語は国連教育科学文化機関(ユネスコ)により消滅の危機にあると指定されているが、危機に拍車が掛かっている。

 最も好きなお酒は「ビール」が最多の28・1%、次に「泡盛」の11・8%となった。泡盛と回答した人は16年調査までは2割を超えていたが、この5年で半減した。若年層ほど泡盛と答えた人は少なく、30~50代は8%台。20代は4・0%で「日本酒」と並んで5番目だった。

 模合の参加者は過去4回の調査で常に4割台をキープしていたが、一気に3割を割り込み、28・6%に減少した。模合も若年層ほど参加率が低く、20代で12・0%、30代は16・7%にとどまった。

 トートーメー(位牌)の継承については「男女どちらが継いでもいい」との答えが16年調査から20ポイント近く増え、過去最多の68・0%に達した。

 一方、沖縄県民であることに誇りを持つ人は「とても」「どちらかと言えば」を合わせて74・0%だった。沖縄の文化・芸能に誇りを持つ人も91・5%で、高い割合を維持している。

 沖縄戦の体験について継承を願う人は「もっと」「現在の程度」を合わせて92・4%。年代別で「もっと」との回答割合が最も高かったのは20代で67・0%だった。平和や不戦の願いは世代を超えて受け継がれている。

 今の生活への満足度は「とても満足」「やや満足」を合わせると59・9%だった。現在の生活での悩みについて三つまで挙げてもらったところ、「収入・所得」「老後」「健康」を挙げた人がそれぞれ4割を超えた。
 (仲村良太)


▽調査の方法▽

調査は県内を5地区に分類し、そこから17市町村を抽出、さらに人口比に応じて100地点を抽出した。それぞれの人口に応じた対象者数を選挙人名簿から無作為抽出した。対象者数は20歳以上の4000人。11月1日に調査票を発送し、同24日締め切りで郵送による返信と、ウェブの専用フォームからの返信で953人から回答を得た。