不屈の心で虎になる!直球勝負でプロの舞台へ 阪神ドラフト5位の岡留英貴<県勢アスリートの軌跡>


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プロ野球選手としての自覚と希望を胸に練習に励む岡留英貴=東京都の亜細亜大日の出キャンパス(ジャン松元撮影)

 また1人の投手が沖縄からプロ野球に挑戦する。新人選択会議(ドラフト)でセ・リーグの阪神から5位指名を受け入団が決まった糸満市出身で亜細亜大4年の岡留英貴(22)=沖縄尚学高出=だ。スリークオーターから繰り出す最速150キロの伸びのある直球が強みの速球派右腕。大学で努力と経験を重ね急成長を遂げた。「いつ送り出されても力を発揮できる投手になりたい」。さらなる成長を誓い、憧れの舞台へと一歩を踏み出す。

 

 意欲の高さが自身を支えてきた。高校の1年生大会で登板機会を得られず悔しい思いをしたが、素直に力の差を認め練習に打ち込んだ。地道に努力を続け、投手陣の一角を占めるまでに成長した。亜細亜大に進んだのも「力を付けたい」という一心から。1年の時に上手からフォームを改造し、直球の質が変わった。シュート気味に伸びる速球を主体とした投球で、その年の秋季リーグで抑えることができ自信になった。

ドラフト指名を受けて仲間と喜ぶ岡留=2021年10月、東京都の亜細亜大学

 弱気の投球で何もできない時期もあったが、4年になって「そこに投げたら絶対に打たれない」という意識の切り替えができた。「考え方一つで変えられる」。この経験は大きな学びとなり、精神面でもプロに進む弾みとなった。

 同じ県出身の内間拓馬(楽天)ら大学の先輩たちが目指している姿を見ながら、自然と高く意識するようになったプロの世界。同年の平良海馬(西武)の活躍も大きな刺激に。「特にポジションにこだわりはない。常にゼロに抑えるイメージ。続けることで信頼が得られる。厳しい世界だが、食らいついていきたい」。やるからには結果を残すだけ。どんな壁にも屈しない強い意気で突き進む。

(謝花史哲)


おかどめ・ひでたか 投手。1999年11月7日生まれ、糸満市出身。180センチ、87キロ。右投げ右打ち。兼城小―兼城中―沖縄尚学高出。亜細亜大で20年度秋季リーグ戦優勝に貢献。最終年度は主力として活躍した。

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