新型コロナウイルスの感染者が爆発的に増える中、県内の民間PCR検査センターの業務が逼迫(ひっぱく)している。昨年12月25日から県民向けの検査が無料になったことに加え、感染者増加に合わせ検査希望者が急増した。来週まで予約枠が埋まったセンターもあり、予約を受け付ける電話やサイトはつながりにくい状態だ。県は薬局で買える抗原検査キットの活用も促している。
本島中部で検査センターを運営する事業者によると、年明けから予約が増え続け、来週は既に枠が埋まった。担当者は「医療関係の検査も請け負っているので一般の予約は取りにくい。学校関連の検査が増えると手に負えないだろう」と切迫感を訴えた。
南部の検査センターも来週末まで予約枠が埋まり、新規の受け付けは17日以降だ。担当者は「検査能力に余裕はあるが検査できる人がいない。検査には専門的な知識が必要なので急な増員は難しい」と説明した。
検査で陽性が分かった場合、センターと提携する医療機関が「発生届」を作成し感染者等情報把握・管理支援システム(HER―SYS)に入力、保健所から陽性者に情報を伝える。センター関係者によると、医師が多忙で発生届の作成が滞ることもあるという。
民間の検査センターは濃厚接触者ではない無症状者が利用する。濃厚接触者向けには県の検査センターがあり、症状がある人は医療機関で受検する。
県によると、県全体の検査能力は1日2万6千件。大城玲子保健医療部長は「陽性率から逆算すると、おそらく限界に近い形で検査を受けている」と説明した。 (稲福政俊)