沖縄知事、復帰50年建議「県民の意見取り入れ検討」 年頭あいさつで基地負担減に決意


この記事を書いた人 Avatar photo 嶋野 雅明
年頭あいさつする玉城デニー知事=1月4日午前

 沖縄県の玉城デニー知事は4日、県庁で職員に向けた年頭あいさつをし、沖縄の日本復帰50年に当たって「県民のさまざまな意見も取り入れながら、今後の建議・宣言のあり方についても検討していく」と語った。復帰を前に琉球政府の屋良朝苗主席(当時)が政府に示した「復帰措置に関する建議書」(屋良建議書)で描いた沖縄像と現状を比較した上で、改めて沖縄の将来像を示す建議か宣言を策定する方針だ。

 屋良建議書について「県民の福祉を優先的に考え、地方自治の確立、反戦・平和、基本的人権の確立、県民本位の経済開発などを骨組みとする新生沖縄像を描いている」と説明した。

【屋良建議書とは】国会混乱で届かず…関係者「今も生きている」

 復帰から50年が経過しても米軍基地に関連する事件・事故や環境汚染が後を絶たないとして「基地の一層の整理縮小や日米地位協定の見直し、過重な基地負担の軽減を政府に求め、諸問題の解決に全力で取り組んでいく」と意気込んだ。

 昨年は新型コロナウイルス感染症や大量に漂着している軽石の問題に追われたとし、今後も解決に取り組んでいく考えを示した。一方、東京五輪・パラリンピックで県勢が活躍したことに触れ「県民に勇気と感動を与えてくれた」と感謝した。

 玉城知事は「任期4年目の新年を迎え、多くの県民の皆さんの期待に応えられるよう、県政運営に邁進するべく、心を新たにしている」と語った。


 

▼知事「激しい怒り」オミクロン拡大 米軍特権の廃止訴える

▼「屋良建議書」が念頭 沖縄県が復帰50年建議書検討