知念城跡に排水路遺構 17世紀に建設か 全長2.3メートル 南城市教委、保護へ


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確認された排水路遺構=南城市知念の知念城跡

 【南城】南城市教育委員会(上原廣子教育長)は12月10日、南城市知念にある国指定史跡・知念城跡で、排水路遺構の一部を確認したと発表した。確認されたのは、知念城跡の西側で、市教委の担当者は「排水施設が城内に完備されていたことが分かる資料となり、崩落した城壁の復元材料にもなる」と話す。

 市教委によると、確認されたのは11月24日で、同月4日から実施していた発掘調査で見つかった。排水路遺構は崩落している城壁の下部に造られており、城壁の内側から外側に向かって急勾配の場所に溝が掘られている。形状が残っている部分で全長約2.3メートル、幅は約25センチで、崩落している部分を含めると全長約3.3メートルあったと考えられる。

 建設時期は不明だが、知念城跡が約400年前に知名グスクから移り住んだ内間大親によって増築、整備されたと伝承されていることから、市教委の担当者は「おそらく同時期に造られたと思われる」と述べた。知念城跡では2003年にも別の場所で排水路遺構などが確認されている。

 排水路遺構は現在、保全のためにブルーシートで覆われ、現場は立ち入り禁止となっている。市教委は図化作業を行った後、22年度以降の城壁整備と合わせて遺構を保護する予定だ。
 (金城実倫)