6日の沖縄県内での新型コロナウイルス新規感染者は過去最多の981人となった。県は政府に「まん延防止等重点措置」の適用を要請したが、感染者数ですでに「感染まん延期」に突入しており「非常事態」に迫る。医療現場では一部で診療も制限され、自治体では公立小中学校の臨時休校、成人式の中止も相次ぐ。爆発的な感染の広がりは未知の領域に突入。波紋は広がっている。
県内の新型コロナウイルスの流行は、感染力の高い新変異株「オミクロン株」への置き換わりとともに、爆発的に拡大している。6日の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議では、重症化事例は少ないとの声も上がるが、感染者の急増により、妊婦や高齢者らハイリスク患者の重症化も懸念されている。
医療従事者の感染により、重点医療機関では診療体制の維持が喫緊の課題となっており、コロナ患者の受け入れだけでなく、通常診療へのしわ寄せも出始めている。
県によると、3日時点のワクチン接種記録システム(VRS)では、医療従事者など1万630人が3回目の接種を済ませているが、重点医療機関ではブレークスルー感染などで約220人の医療従事者が欠勤している。
県はコロナ専用病床を648床確保しており、一般診療を制限する場合は1031床まで増床することも想定している。しかし、医療従事者の欠勤で病床を確保しても運用できない恐れがある。県内医療機関ではすでに一般外来を制限する動きもあるほか、中部の病院では救急部門の一部が停止する弊害も出ている。
県対策本部の糸数公医療技監は「現時点の病床使用率は国基準の50%に達していないが、新規感染者の高止まりが続くと重症者も増え、逼迫(ひっぱく)する可能性もある。医療スタッフも想像以上に休んでいるので、必要な病床が確保できなくなる」と、県民へ感染対策を呼び掛けた。
(嘉陽拓也)
【関連ニュース】