学校現場は対応追われ、行事開催、迫られる判断 急ぎ消毒、別室移動も


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学校イメージ

 新型コロナウイルス感染症の急拡大で、学校現場が混乱に陥っている。

 新規感染者数が前日に比べて約400人急増した5日、本島内の小学校では、登校している児童が濃厚接触者に該当することが分かり、急いで別室に移したり消毒作業をしたり、対応に追われた学校もあった。今月予定している学校行事の開催も、中止か規模縮小か判断を迫られている。

 「急拡大で濃厚接触者の特定が追い付いていないのではないか。連絡が遅れると学校内で感染が広がってしまう」。5日、本島内の小学校に務める40代の女性教諭は不安を口にした。この日、登校している児童が濃厚接触者に該当するという連絡を受け、慌てて別室に移動させて対応した。本島中部の学校でも同様の出来事があり、30代女性教諭は「大混乱だった」と話した。

 「つい最近、やっと授業参観や課外活動など、制限はあるが学校行事ができるようになったばかりなのに」。本島中部の中学校教諭(36)は怒りを隠さない。「子どもたちは給食時間には黙食をし、友だちとの交流も我慢してきた。なぜまた子どもたちにしわ寄せが来るのか。県は米軍基地で感染拡大したのが原因だと言っているが、その対策は十分だったか。年末年始の空港での検査態勢も適切だったのか」。県の対策に憤りをぶつけた。

 今月、県内の小学校では学習発表会を予定している学校も多い。南部の小学校教諭(32)は「開催できるか、保護者からの問い合わせがとても多い。楽しみにしているという保護者もいるし、中止すべきという意見もある。個人的には臨時休校にするレベルだと感じているのだが」と、頭を抱えた。

(嘉数陽)