第6波に沖縄県「まだ流行の初期」 医療者の欠勤313人、医療崩壊の懸念


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 沖縄県内の1日当たりの新型コロナウイルス感染者数が日々、最多更新を続けている。7日は1414人で年代別では20代が半数を占めた。これまでの流行は活動的な若者の感染から始まり、家庭や職場に持ち込まれ、小児や高齢者らに広がった。県の糸数公医療技監は第6波の現状を「まだ感染の入り口、流行初期の現象」と捉えており、感染者のさらなる増加を懸念した。

 年代別の感染者は20代が745人と突出し、続いて30代が160人、10代が151人と若者世代が目立つ。人口10万人当たりの直近1週間の新規陽性者数は234・06人で県基準の判断指標では最も高い非常事態(レベル4)となった。入院患者は187人(重症0人、中等症88人)で6日から27人増加した。

 医療従事者の感染などによる欠勤は6日から93人増え、21重点医療機関で計313人となった。内訳は医師21人(陽性5人)、看護師186人(同54人)、事務員など106人(同29人)。第5波当時の最多欠勤者約200人を大きく上回り、県は緊急時にコロナ専用病床の最大数648床を確保できるか頭を抱える。

 県対策本部の医療コーディネーター・佐々木秀章医師は新規感染者の増加から約1週間後に入院患者が増加する傾向を懸念している。既に高齢者や小児の入院が増加し始めており、今後入院が急増すると「需給バランスが崩れ医療崩壊が起きかねない」と警鐘を鳴らす。

 緊急事態宣言などで社会活動が低下した第5波と比較して、急速に感染が拡大している第6波では、一般の救急件数は減っておらず、現場の負担も増している。佐々木医師は「このまま感染者や入院患者が増え続ければ、コロナ以外のけがや病気で搬送できる病院も限られてくることを覚悟してほしい」と話した。
 (嘉陽拓也)