濃厚接触者でも勤務…医療現場、窮状訴え 欠勤は計437人に


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 新型コロナウイルスの新規感染者の急増を受け、沖縄県は7日、南風原町の医師会館で「新型コロナウイルス感染症対策に係る関係病院長会議」を開いた。感染などで医療従事者の欠勤が増加。8日は計437人となった。複数の病院では濃厚接触者でもワクチン3回接種済みで抗原検査で陰性が確認されれば、働かざるを得ない状況が報告されたという。宮里達也副会長は「望ましくないが、こういうケースが増える」と窮状を訴えた。

 会議では感染拡大のピークが見通せない現状でも医療界全体で連携し、高齢者へのワクチン接種を加速することなどが確認された。また、入院待機ステーションの早期稼働や、宿泊療養施設を充実させることを県に要望したという。

 医療界が危機感を持つ中、9日から適用される「まん延防止等重点措置」で、飲食店に酒類提供が認められたことを疑問視する声が出席者から上がったという。

 安里哲好会長は、方針は県が決めるとしながらも「医師会としては感染を予防する万全の策を取ってほしい」と述べた。

 宮里副会長は、病院によるPCR検査の結果から、オミクロン株は唾液内のウイルス含有量が多いと説明し「唾液が飛び散る社会活動は避けて」と呼び掛けた。安里会長は「マスクや手洗い、手指消毒、3密回避など基本的な対策を徹底してほしい」と訴えた。

 (嘉陽拓也)