「命どぅ宝」沖縄の若者に観てほしい 劇団文化座が来月舞台、俳優ら思い語る


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劇団文化座の舞台「命どぅ宝」の沖縄公演事前イベントで意気込みを語る出演者ら=8日、那覇市の男女共同参画センターてぃるる

 劇団文化座が2月に沖縄で初開催する舞台「命どぅ宝」の事前イベントが8日、那覇市の男女共同参画センターてぃるるであった。日本復帰前の沖縄を描いた劇映画「沖縄」の上映会も併せて開かれた。文化座代表で「沖縄」の主演女優の佐々木愛さんや舞台の主演俳優らが東京からオンライン参加して沖縄初公演にかける思いを語った。10日には名護市立中央図書館でも同じトークイベントが予定されている。

 舞台「命どぅ宝」は2017年に初上演。沖縄の日本復帰50年の今年は劇団創立80年で、「命どぅ宝」を2月10、11日に那覇市の琉球新報ホールで、13日に名護市民会館大ホールで開催を予定している。 

 トークイベントはコロナ禍でリモート開催となった。佐々木さんは、瀬長亀次郎さんと会った時の印象を「声もとても優しかったが、演説になると壮大な話し方だった」と振り返り、俳優にも直接アドバイスしていると話した。その瀬長さん役を務める藤原章寛さんは「初演時はちゃんとできているか不安だったが、もっと近づこうと今も精進している」と語った。阿波根昌鴻さん役の白幡大介さんは「沖縄での公演はプレッシャーがあるが、亀次郎さんや阿波根さんを知らない若い人に、いかに彼らが闘ったかを知ってもらえたらいい」と話した。

 事前イベントを主催した「命どぅ宝」沖縄公演を応援する会は、沖縄の若者たちに舞台をみてもらおうと若者に鑑賞券を贈るため、琉球新報のクラウドファンディングYUIMAでの寄付も呼び掛けている。

 上映された映画「沖縄」の撮影秘話も披露された。映画は復帰前の沖縄で撮影されたが、佐々木さん自身は撮影中は沖縄への渡航許可が下りず、奄美での撮影となった。主人公の青年を演じた俳優の地井武男さんは、千葉の実家がバナナ加工工場だったことから「バナナの現地視察」という名目で沖縄に渡航が許された。佐々木さんによると、映画中での米軍基地のゲート前や軍用機が飛ぶ様子は、基地従業員から飛行情報を聞いてゲリラ的に撮影したのだという。


※「命どぅ宝」沖縄公演を応援する会による、沖縄の若者たちに鑑賞券を贈る寄付の詳細はこちらから。