22年「持ち直しの動き」 前半は低調推測 りゅうぎん総研展望


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 りゅうぎん総合研究所(伊東和美社長)は7日、「県経済2021年の回顧と2022年の展望」を発表した。22年について、消費関連はマインド向上で持ち直し、建設関連は投資需要回復への期待で下げ止まり、観光関連は人流が戻り需要喚起策による回復が予想されると分析。県経済は「持ち直しの動き」と判断した。

 一方、新型コロナウイルス感染症の影響による観光や飲食業の人材不足や、レンタカー調達の遅れに伴い、前半の持ち直しの動きが弱まるとも推測している。動きを加速化させるため、これらの受け入れ態勢の整備が鍵となるとみている。

 個人消費では、百貨店・スーパー売上高が外出機会の増加で衣料品や化粧品などの需要回復で前年を上回ると予想する。新車販売台数や家電卸売販売額は、半導体といった部品の供給の問題が解消されれば持ち直しの動きが加速するとみている。

 建設関連は、公共工事が22年度の沖縄関係予算案が減額となったものの、国土強靱(きょうじん)化関連予算が見込まれることから、底堅く推移するとみる。一方、民間工事(非居住用)では社会活動再開に伴い、下げ止まりの動きで推移すると予想する。

 観光関連では、海外旅行が引き続き制限されることから、国内旅行需要の高まりや需要喚起策「Go To トラベル」などの実施が期待され、前年の入域観光客数を上回ると推測する。NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」の放送や世界のウチナーンチュ大会実施も観光振興の後押しになるとみている。

 21年の県経済の回顧では、コロナ第4、5波の影響で1月から9月末まで緊急事態宣言やまん延防止等重点措置など県民の行動を制限する措置が取られ、後退局面が続いた。ただ、緊急事態宣言が解除された10月以降は、制限が徐々に緩和され人流が戻ったことで、「下げ止まりの動きがみられた」としている。 (小波津智也)