社民「基地移設の断念を」、社大「命と暮らし争点に」、にぬふぁ「市民生活寄り添う」<名護市長選2022・県内政党に聞く>


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社民党県連・照屋大河代表 基地移設の断念を

照屋大河社民党県連代表=7日、県議会

 ―選挙の位置付けは。

 「今年の県内政局を占う重要選挙だ。参院選、知事選の前哨戦に位置付けられる」

 ―争点は何か。

 「新基地建設の是非に焦点は絞られるが、本来的には名護市の将来ビジョンを示し、今後4年間のかじ取り役を決める選挙でなければならない。争点は経済政策や雇用、教育など多岐にわたる」

 ―辺野古移設の争点について考え方は。

 「社民党は建白書の理念と県民投票の民意に基づき、中止ではなく(普天間飛行場の)県内移設断念を求める。沖縄には指一本触れさせない」

 ―岸本洋平氏に推薦を決めた理由は。

 「辺野古反対を明言する政治姿勢や市議4期の実績と政策ビジョン、県政や国政へのスタンスなどを総合的に勘案した」

 ―選挙にどう臨むか。

 「国政、全県選挙並みの運動量で取り組んでいる。新型コロナウイルスの第6波の影響で集会や対面しての運動は抑制的にならざるを得ないが、街宣や電話、SNS対策などで代替していく」

 ―最も訴えるのは。

 「岸本氏が辺野古に反するのは市のことを市民が決められるようにするためだ。国に唯々諾々と従っていれば、自動ドアのように名護市の未来が開けるわけではない」


社大党・高良鉄美委員長 命と暮らし争点に

名護市長選の争点などについて語る高良鉄美社大党委員長=12月30日、名護市

 ―選挙の位置付けは。

 「復帰50年を迎え、これからの50年を考える年にある最初の選挙だ。自然環境保全や基地問題を考えるターニングポイントになる選挙だ」

 ―争点は何か。

 「命と暮らしの問題が幅を持って争点になるべきだ。新型コロナウイルス対策や経済対策も当然だが、米軍基地問題も命と暮らしに直結し、重要な争点になる」

 ―辺野古移設の争点について考え方は。

 「工事が強行され、住民の民意が著しくないがしろにされている。このように税金が使われて良いのか、他の課題に振り分けるべきではないかと市民が考えていくような訴え方をしたい」

 ―岸本洋平氏に推薦を決めた理由は。

 「社大党は自立した沖縄を目指して結党された。岸本氏も名護の自立を訴えている。結党の理念と岸本氏の方向性が一致している」

 ―選挙にどう臨むか。

 「2人いる所属県議を同日にある南城市と振り分けた上で、北部出身の党員らの協力を得ながら取り組む」

 ―最も訴えるのは。

 「子どもたちが未来に向けてどんな沖縄にしたいかを見えるような政治をするというところを訴えたい。沖縄、日本全体の問題にも直結する」


にぬふぁぶし・翁長雄治幹事長 市民生活寄り添う

翁長雄治新しい風・にぬふぁぶし幹事長=8日、琉球新報北部支社

 ―選挙の位置付けは。

 「復帰50年を総括し、次の50年に向けた大切な1年となる中での選挙イヤーだ。今後の選挙にも大きな影響を与える」

 ―争点は何か。

 「辺野古新基地建設の是非がまず問われるほか、この4年間の現職の評価も問われる」

 ―辺野古移設の争点について考え方は。

 「普天間飛行場の移設先で安倍晋三元首相は本土の理解が得られないと述べたが、沖縄ほど反対の民意を示した場所はない。日米安保、地位協定の在り方を国民全体で議論しなければならない」

 ―岸本洋平氏に推薦を決めた理由は。

 「岸本氏はにぬふぁぶし結成以来、中核としてリーダーシップを発揮してきた。現職が新型コロナウイルス対策で市独自の取り組みをどれだけ実施したか。経済的打撃が深刻な中、市の貯金である財政調整基金もあまり活用できておらず、非常時のリーダーとしては疑問だ。岸本氏は市民に寄り添う対応ができる」

 ―選挙にどう臨むか。

 「所属議員の過半数は北部におり、中道保守層に働き掛けを強めたい」

 ―最も訴えるのは。

 「岸本氏は信条でもあるノーサイドの精神で、選挙後は市全体のリーダーとして市民生活に密着した政治をする」


 

名護市役所

 16日告示、23日投開票の名護市長選は、県と国が鋭く対立する米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設問題の現場として、市政を誰が担うのかに全国からも高い注目が集まる。2期目を目指す現職の渡具知武豊氏(60)=自民、公明推薦=と、新人で市議の岸本洋平氏(49)=共産、立民、社民、社大、にぬふぁぶし、れいわ推薦=の予定候補者2氏を推薦する県内各政党・団体に、市長選の位置付けや取り組み状況などを聞いた。('22名護市長選取材班)(おわり)

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