沖縄の未成年に急増、薬物依存のワナ 佐藤和哉・沖縄ダルク施設長(識者談話)


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 県内で薬物に手に染める人が年々増加している印象がある。昨年は若年層からの薬物依存の相談件数が増えた。軽い気持ちで始めたり、自分の居場所をつなぎ止めるために友人の誘いを断れなかったり、自分を大事にできない若年層が目に付く。

 大麻は世界各国で合法化の流れがある。インターネットでそのことを知る若年層にとって、大麻のハードルが下がっている。しかし、大麻が安全ということはない。国内では違法であり、摘発されれば人生に大きな影響を与えるだろう。

 種類別の摘発者数をみると、10代に覚醒剤や麻薬などの「ハードドラッグ」が増えている。

 「ゲートウェイドラッグ」といわれる大麻を入り口に、より危険で依存しやすい「ハードドラッグ」に移行している可能性がある。

 薬物は最初の1回くらい大丈夫だろうという気持ちで始めるが、気がついたらやめようと思ってもやめられない状況になっている。最初の快感よりもより大きな苦しみが待っている。最初の1回に手をつけないでほしい。

 薬物で失敗した若者がやり直していくことを受け入れる社会づくりも必要だ。