医療従事者の欠勤500人超す 濃厚接触者も出勤、それでも綱渡り


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 県内の新型コロナウイルスの患者が775人となった11日、入院患者は290人(重症0人、中等症125人)となった。県はさらなる増加を見越して、病床確保計画に基づき県内全域の医療フェーズを最も高い5に設定し、重点医療機関に計648床の確保を呼び掛けている。

 年代別の感染者では20代が262人と最多だが、流行の発端となる若年層の割合が徐々に減っている。糸数公医療技監は「幅広い世代に感染が分布し始めている。高齢者などに重症者が出ないか懸念している」と述べた。

 患者に対応する医療従事者が感染や濃厚接触者となることで欠勤したのは最多の計503人。内訳は医師47人(陽性9人)、看護師280人(同90人)、コメディカルなど176人(同46人)。医療現場では、濃厚接触者でもワクチン3回接種済みで、抗原検査によって陰性が確認できれば現場に立つケースも増えている。だが、相次ぐ欠勤で医療提供体制の改善は見えない。糸数技監は「これ以上入院患者が増えると厳しい」と、病床確保に危機感を強めている。

 同日、県全体の1回目のワクチン接種率が70%に達した。県は昨年10月末までに7割達成を掲げていたが若年層で伸び悩み、約6割で頭打ちが続いていた。2回目の接種率は69%となっている。 (嘉陽拓也)