首里城再興研究会など3団体は12日に県庁で会見し、大龍柱が正面を向いた写真が出てきた中で「相対向き」で復元するとの暫定的な結論を示した国の「首里城復元に向けた技術検討委員会」(高良倉吉委員長)の姿勢について「学術的とは到底言えない」と批判した。同委員会に公開質問状を提出したほか、県と県議会にも同日付で陳情を提出し、県が総合事務局と結んだ制作物や木材などの譲渡に関する「覚書」を破棄するまで予算の執行を停止するよう求めた。
3団体の一つで首里城正殿大龍柱を考える会の大田朝章代表は、大龍柱が相対向きとなったのは1928~33年ごろ、国が正殿を「沖縄神社拝殿」として解体修理した際のことだとの見方を示した。神社に設置される狛犬(こまいぬ)が相対向きであることが多く「それに倣ったのではないか」とした上で「(国家神道という)旧憲法下の残影である相対向きは、平和の象徴である首里城にはふさわしくない」と語った。
(知念征尚)