医療従事者989人が欠勤、コロナ病床も減らす 救急14病院で制限


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 沖縄県は13日、新型コロナウイルスの患者を診る県内の重点医療機関を含む90カ所の病院で、医療従事者計989人が欠勤していると明らかにした。県はこれまでコロナ専用病床を648床確保していたが、欠勤の影響で17床を減らし、631床に修正した。糸数公医療技監によると、感染症による医療従事者の欠勤を理由に確保病床を減らすのは初めてとみられる。

 病院90カ所で欠勤している計989人の内訳は、医師45人(陽性14人)、看護師494人(同152人)、コメディカル・事務職員など450人(同106人)。重点医療機関では21カ所中20カ所で計661人が欠勤している。相次ぐ欠勤により、13日現在、14病院で救急部門を一部制限し、8病院では一般外来を制限している。糸数医療技監は「感染拡大に勢いがあり、欠勤者数の予想は難しい」と述べた。

 県内では代えがきかない医療従事者が濃厚接触者となった場合、ワクチン2回接種済みで、日々の抗原検査で陰性が確認できれば就業している。県によると、対象者の検査で陽性が確認された例はないという。

 医療従事者の減少による病床確保や入院調整が難しくなる現状に対応するため、県は12日から本島南部でコロナ陽性者向けの入院待機ステーションを再稼働した。また、19日から80室を用意した宿泊療養施設1カ所を那覇市に開設するという。県内の同施設は計9カ所、部屋数は計932室となる。

 (嘉陽拓也)