故郷の先輩が支援、県外で学ぶ大学院生に給付金 「尚巴志育英会」 南城・富祖崎


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 【南城】地域の活性化を促す素晴らしい人材育成を支援しようと南城市佐敷・冨祖崎尚巴志育英会(楚南幸明会長)は5日、県外の大学院で学ぶ女子学生に初めて給付金を支給した。

 同区では地域活性化を図るためにはまず人材育成が大事と2016年に育英会を発足。大学生とスポーツ、文化芸能活動に情熱を燃やす児童生徒ら20人に貸与金として支援してきた。

 公民館で行われた初の大学院生への給付金支給式には楚南会長、知念進副会長、区長で玉寄勉事務局三役に、区書記の屋良勲さんら理事の皆さん、育英会に多額の寄付金を寄せた玉寄英一さんらが参加した。

 現在、那覇市在住の父親と大学院生1年のAさん(22)が郷里の冨祖崎区の支給式に臨んで楚南会長から給付金が手渡された。1年80万円の2年で合計160万円が給付される。

 Aさんの父親は「最初受け取っていいものか迷ったが郷里の先輩たちから心のこもった励ましの育英金との思いからいただくことにした」と感謝した。Aさんは「専攻は臨床心理学。卒業後は地域の後輩たちのためにも頑張っていく」と抱負を語った。

 育英会には玉寄さんを含めて郷里の5人から6回にわたって総額1250万円の寄付金が寄せられ、これまでに259万円が貸与支援された。住民から「大変素晴らしい取り組み」と喜ばれている。
 (知花幸栄通信員)