eスポーツへ、超高速回線導入、ロワジールホテル那覇 観光以外の需要喚起、29日から大会、400人規模


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
ロワジールホテル那覇に設置されたeスポーツ対応の客室。超高速のインターネット専用回線を設置しており、ワーケーションでの利用も想定している=19日、那覇市西

 新型コロナウイルスの感染拡大によって沖縄観光が大きな打撃を受ける中、ロワジールホテル那覇(武田寛枝総支配人)は、観光以外の新たな需要を掘り起こそうとeスポーツに注目し、このほど超高速で安定したインターネット専用回線を導入した。一部の宴会場や客室を改修し、昨年12月から利用を始めた。宴会場ではイベントを開催し、客室からは国内外の大会へのオンライン参加を想定する。29、30日には優勝賞金100万円のeスポーツイベントが予定され、関係者は沖縄の新たな魅力発信に向け成功を願う。

 取り組みは観光庁の「既存拠点の再生・高付加価値化推進事業」の一環として実施した。沖縄ケーブルネットワーク(OCN)が昨年11月、宴会場3カ所と客室5部屋に専用回線を設置。客室には高機能のゲーム専用パソコン(PC)を設置し、専用のいすやヘッドセットを完備する。

2021年1月に実施した「eスポーツバトルインオキナワ」=那覇市前島の沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハ(プロモート・琉球提供)

 OCNによると、大会のゲームサーバーから遠隔地で参加すると遅延(ラグ)が生じやすくなる。瞬時の判断や操作が求められる格闘ゲームなどでは、通信環境が悪いと参加すらできない場合もあるが、同ホテルの回線では上り下りともに1ギガbps(ビット毎秒)を保証することで、場所のハンディを受けにくい環境を提供する。

 ホテル営業統括部販売グループの與世山理絵主任は「ワーケーションでの利用も見込んでいる。通信環境が高速で安定しているため、宴会場をオンライン会議で使用する企業や団体も増えている」と話す。

 ホテルでは、29日から2日間の日程で、大規模イベント「eスポーツバトルインオキナワ2022」が開催される。このイベントも「再生・高付加価値化推進事業」の一環で行われ、三つの宴会場を使い最大延べ約400人が出場予定。

 別のホテルで開催された昨年に続き2度目の開催で、格闘、モータースポーツ部門でそれぞれ優勝賞金100万円を懸け熱戦が展開される。自転車に乗り仮想空間でレースができるアプリの体験会も行われる。

 イベントを主催するプロモート・琉球の山田尚社長は「感染症対策を万全に実施したい。世界標準の大会ができるかも検証し、沖縄の新たな魅力を引き出していきたい」と語った。イベントの問い合わせはプロモート・琉球(電話)098(943)1438。
 (小波津智也)