【記者解説】南城市長に古謝氏、前職の実績に期待再び 少数与党で問われる手腕


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当選を確実とし、あいさつをする古謝景春氏(中央)=23日午後10時24分、南城市佐敷新開の選挙事務所(喜瀨守昭撮影)

 南城市長選で古謝景春氏が返り咲いたのは、現市政に対する有権者の失望感を受け、国との太いパイプや長年のリーダーシップなど、市長を3期務めた前職としての実績に市民からの期待が再び集まったことがある。一方で、市議会は9月の改選まで少数与党となる。新年度予算案の提出などを控え、議会対応などの行政手腕を早々に問われることになりそうだ。

 衆院沖縄4区選出の西銘恒三郎沖縄担当相の入閣も市長選の追い風となり、経済振興の期待につながっている。

 古謝氏は選挙戦の公約で、下水道や道路などの社会資本の整備と防災機能の強化に取り組むとした。

 特に防災に関しては佐敷中学校の高台移転の検討や避難道路の建設、親水性護岸の整備など詳細に記した。返り咲きの4期目は、防災への取り組みと施設整備が市政運営の柱として反映される見通しだ。

 また、子育て支援を目的とした「子ども課」の新設、窓口業務の効率化を図る「DX推進課」の創設など行政改革にも意欲を示す。4年間の市政交代を経て、庁内改革がスムーズに進むかどうかは注目点となる。

 一方、ドーム型の野球場整備によるプロ野球球団のキャンプ誘致の公約については、沖縄振興特定事業推進費を要請して進めると主張するが、維持費や球団側との交渉など課題も多い。
 (金城実倫)