南城市長選 古謝氏の勝因は?瑞慶覧氏の敗因は


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 23日投開票の南城市長選で、前職の古謝景春氏が返り咲いたのは、現職の瑞慶覧長敏氏よりも早い段階で出馬を表明し、選挙に向けて取り組んだことが大きい。昨年6月の段階で出馬表明と同時に事務所開きをし、迅速に選挙態勢をつくった。

 市内約70の行政区にブロック長を配置して、選挙前から地域や企業を回り、各種団体との意見交換も重ねた。告示後は西銘恒三郎沖縄担当相や自民、公明の県議、県内各地の保守系議員らが連日市内に入り、組織票を固めた。期日前投票への呼び掛けや電話作戦の徹底も奏功した。

 遊説では市長時代3期12年の実績をアピール。野球場整備によるプロ球団キャンプ誘致や「子ども課」の新設など、幅広い政策を訴えたことも有権者の評価につながった。

 一方、現職の瑞慶覧氏は子育てや教育、福祉支援、パートナーシップ制度の導入などを成果に掲げたものの、有権者から「実績が見えない」などの不満があった。初動の遅れを払拭(ふっしょく)できずに古謝氏に先行され、差を詰め切れなかった。
 (金城実倫)