3回接種でオミクロン株でも入院率低下 専門家、ワクチン接種の重要性を強調


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 政府は25日、新型コロナ対応で沖縄への「まん延防止等重点措置」の適用期間を2月20日まで延長することを決めた。オミクロン株の症状は「若い人にとってはインフルエンザ並み」(医療関係者)との見方が強い。それでも、初期に感染爆発した若者を介し、重症化リスクのある高齢者や基礎疾患がある人へ感染が拡大。新規感染者はピークを越えたと見られるが、命の危険にさらされる人は増え続ける。

 県内の新型コロナの感染者数は1月1~25日で2万6440人。1カ月足らずの間に、一昨年来の累計感染者の34%が集中する。

 8日までに確認されたオミクロン株感染者105人のうち、ワクチン2回目接種を完了した「ブレイクスルー感染」が3分の2を占めた。

 一方、20日の厚生労働省アドバイザリーボード資料によると、1日以降の感染者の入院率を接種回数別で比べると、80歳以上では未接種または1回接種者の入院率は55.2%だったが、3回目接種者は33%まで減った。3回目接種者の人数はまだ限られるが、どの年代でも接種回数が増えるに従い、入院率は下がる傾向にある。

 県立中部病院の高山義浩医師は「感染拡大が若者中心から幅広い年代にシフトしており、今後、重症化リスクの高い高齢者へ感染が広がると入院需要が急速に増大する可能性がある」と今後の動向に強い警戒感を示す。ワクチンの2回目接種から6カ月が経過すると「感染予防効果が低下することが明らかになっている」と指摘。経済活動を進めるにあたって、「重症化しやすい高齢者や基礎疾患を有する方への3回目のワクチン接種を進めることが必要だ」と述べた。
 (知念征尚)

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