駐留軍用地跡地への支援を拡充 沖縄振興関連法改正案 自民党沖縄振興調査会などが了承


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自民党本部

 【東京】政府が今国会に提出する沖縄振興特別措置法など沖縄関連法の改正案の概要が判明した。沖振法の改正案では、法期限を10年延長した上で、5年以内の見直しを付則に規定し、「特区・地域制度」などの適用条件に「付加価値増」「給与増」などの要件を新設。沖縄振興開発金融公庫法改正案には、日本政策金融公庫への統合時期を10年延長し、駐留軍用地跡地の貸し付け対象拡大の条文を盛り込む。

 27日に自民党本部で開かれた沖縄振興調査会(小渕優子会長)と内閣第一部会の合同会議で内閣府が改正案を示し、了承された。

 同調査会事務局長の宮崎政久衆院議員は、来月1日の党政務調査会の総務会を経て、同8日にも閣議決定し、国会に法案提出するとしている。

 沖振法では、国際物流や観光などの拠点整備を促す「地域・特区制度」で、税制優遇を受ける事業者に設備投資などの実施計画を義務づけ、認定要件に「付加価値増」「給与増」を加える。「離島・北部地域の振興」について、産業振興や移住・定住促進に関する努力義務を設ける。

 跡地利用特別措置法では、統合計画で返還が決まっている浦添市のキャンプ・キンザー(牧港補給地区)を念頭に、拠点返還地の指定要件を緩和する特例を創設する。琉球大医学部などが建設中の西普天間住宅地区跡地と同じ措置で、指定によって一体的な土地利用が可能になるとされる。

 公庫法では、10年延長のほか、駐留軍用地跡地で商業施設などを開発する場合の資金貸し付け条件が拡充される。開発事業で建築された建物の所有権の一部を「保留床」として、第三者に譲渡できる「譲渡方式」による開発も貸し付け対象に加える。(安里洋輔)