第43回遠藤石村賞、琉球俳壇賞、琉球歌壇賞(琉球新報社主催)の選考会が29日までに那覇市泉崎の琉球新報社で開かれた。過去の俳壇賞受賞者の中から俳句界の向上に寄与した人に贈られる遠藤石村賞は西原洋子さん(79)=宜野湾市=に決まった。俳壇賞に仲間文子さん(77)=西原町、歌壇賞に野田勝栄(かつえ)さん(77)=那覇市、森山高史さん(73)=大宜味村=が選ばれた。歌壇賞は1993年以来28年ぶりに複数受賞となった。
俳壇、歌壇賞は琉球新報文化面に掲載している「琉球俳壇」「琉球歌壇」の投稿者が対象。2021年の1年間を通して作品を毎月投稿した人の中から、上位入賞の実績などを基に選ばれた。
俳壇賞・石村賞は太田幸子さん、たみなと光さん、歌壇賞は屋良健一郎さんが選考委員を務めた。太田さんは西原さんについて「長年培った深い洞察力で季語を巧みに生かしている」、仲間さんについては「明敏な句眼で季語の本意を捉えた臨場感がある」と評した。屋良さんは「野田さんは身の回りの風景を伝統的な文体で静かにうたう。森山さんは日々の暮らしや旅を等身大の言葉で軽快にうたう。対照的な二つの個性が輝いている」と選考理由を述べた。
石村賞・俳壇賞・歌壇賞と琉球新報短編小説賞を合わせた琉球新報文学三賞の贈呈式は、2月3日に開催予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、3月に延期する。
(上原修)