【沖縄】俳人で写真家の豊里友行さん(45)=沖縄市=が同市照屋の商店街「旧銀天街」で活動を本格化させている。商店街に構えた豊里友行写真事務所を拠点に、昨年はコロナ禍を題材にした第4句集「ういるす籠(ごも)り」(沖縄書房)を発行した。写真展や写真集発行など写真家としての活動に加え、俳句にも力を入れる方針で「今後は句集を年に1回、出したい」と意気込みを語る。
句集には2020~21年に詠んだ302句を、「母よ」「島世替わり」など六つの章に分けて掲載。〈ういるす籠りの銀河系をごらん〉〈コロナ元年のマリモになっちゃうよ〉など、新型コロナウイルスに振り回される人々の営みを見つめた句を多く載せた。
ほかに米軍基地の問題や沖縄戦についての句も収めた。「章ごとに物語性を持たせて配置した」と語る豊里さん。〈秋が深まる銀天街の蜜柑(みかん)〉など、長年見つめてきた銀天街の移り変わりも詠んでいる。
「五七五のリズムで沖縄を見つめ直す“琉球俳句”を作りたい」と独自の境地を目指し、研さんを積んでいる。句集は2200円(税込)。問い合わせは豊里さん(電話)070(5491)3807。
(宮城隆尋)