プロ野球は1日、宮崎、沖縄両県で12球団が一斉にキャンプインした。新型コロナウイルス感染が拡大し、選手にも感染者が相次ぐ中、2年ぶりに観客を入れて実施。7球団がスタートした沖縄では日本ハムの上原健太や楽天の内間拓馬、中日の大嶺祐太、DeNAの神里和毅ら県出身選手も熱のこもった練習で汗を流した。プロ野球の春季キャンプがスタートした。進化を図り1軍定着で新シーズンでの活躍を期す県勢選手たち。決意や意気込みを紹介する。(随時掲載)
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プロ入り7年目。日本ハムの上原健太(あげな中―広島・広陵高―明治大出)が投手だけでなく、野手としても出場機会を狙う二刀流を目指し、春季キャンプに入った。これまでのプレースタイルを大きく転換する新たな挑戦。昨年苦しめられたけがのリスクは高まるが、「能力を生かせる部分が増える。メリットが大きい」と意欲が膨らんだ。打者としては一からのスタート。険しい道のりだが、己の力を信じて歩みを始めた。
191センチ、90キロ。2015年にドラフト1位で入団した大型左腕。その身体能力は高く評価されてきた。20年シーズンは後半に先発で好投を続けて、才能の一端を見せ、飛躍が期待された。しかし、昨シーズンは首に違和感を覚えるなどけがで出遅れ、途中から中継ぎで計約11イニングの登板に終わった。
転機はシーズンを終えた11月。沖縄で行われた秋キャンプで稲葉篤紀GMに二刀流を打診された。2~3日考え「こんなチャンスは二度と来ない。できなくてもやってみよう」と決断し、練習を開始した。
年が明け2軍スタートとなった春季キャンプは、初日からブルペン入りし約50球を投げ込んだ。時間をあけ個別の打撃練習をこなすなど精力的にメニューに取り組んだ。新庄剛志新監督も二刀流を後押し。2軍で始動した新庄監督から投打でアドバイスも送られた。
初日の投球練習では全球種を投げ、中でも昨シーズン終わりから使い始めたというカットボール、ツーシーム、チェンジアップを意識して投げ込んだ。昨年から取り組んでいる体の可動域を広げる柔軟性の向上にさらに力を入れ「そこが変化したらピッチングも向上する」と期待する。
一方、打撃での手応えはまだまだ。「言われたことを体現できるよう早く力を上げていきたい」と地道に取り組むしかない。「まずはピッチャーとしてレベルを上げていくこと。そこが一番大事。そこから野手としてもついていくと思う」。開幕に向けて信頼を勝ち取り主力の座をつかみにいく。
(謝花史哲)