孔子廟の行事を一部改める 宗教的と違憲判決受け解消図る 久米崇聖会


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久米崇聖会が管理・運営する久米至聖廟(孔子廟)=那覇市

 久米至聖廟(孔子廟)設置のための土地使用料を那覇市が免除したことは違憲とした昨年2月の最高裁判決を受け、孔子廟を管理する久米崇聖会は、孔子廟で行う行事「釋奠祭禮(せきてんさいれい)」の一部を昨年9月から改めた。城間幹子市長が2月2日、定例記者会見で発表した。市は孔子廟の設置を公園施設(教養施設)や体験学習施設として許可したが、判決で宗教的と指摘されたため、「宗教的性格の解消」を図った。

 市や久米崇聖会によると、釋奠祭禮から、孔子の霊を迎えたり送ったりする「迎神」「送神」という段取りを削除した。同会の國吉克哉理事長は「孔子の霊がどうということは意識せず、伝統を継承する立場でやり方を踏襲してきたが、裁判所が(宗教的と)言うので直した」と話した。

 市は判決を受け、過去と本年度の土地使用料約3500万円を請求し、久米崇聖会も支払いに応じている。城間市長は「使用料を請求したことで違憲状態は解消された」と述べた。今後も免除しないという。

 (伊佐尚記)