DeNA神里「つかみにいく」スタメン切符 打力アップへ「しっかり振り込む」<ステップアップ・県勢の球春>


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キャッチボールで汗を流すDeNAの神里和毅=1日午前、宜野湾市のアトムホームスタジアム宜野湾(喜瀨守昭撮影)

 激しいポジション争いのただ中にあるDeNAの外野手。5年目を迎える神里和毅(糸満高―中央大―日本生命)は、打撃力の向上を最大の目標に「ポジションをつかみにいきたい」と闘争心を燃やし、バットを振り込む。

 昨年はベテランの梶谷隆幸が巨人に移籍し、正中堅手に名乗りを上げるはずだった。打撃でもリードオフマンとして定位置を狙った。期待に応えて先発出場した開幕9戦目で先制の本塁打を放つなど活躍し、連敗中だったチームの初勝利に貢献した。その次の試合では、プロ入り後で初の満塁本塁打を放つなど最高のスタートを切った。

 しかしシーズン途中に左足首の骨挫傷で離脱したこともあり、出場は88試合にとどまった。打率は1割9分1厘。入団4年間で最も悪い内容のシーズンになった。「全く打てるイメージが湧かなかった。打ててもそんなに納得がいかず、たまたま打てたという感じ。常に不安の中にあった」という。

 自信を取り戻すために「しっかり振り込まなければ」とやることは明確だった。シーズンが終わって、チームの黄金期を支えた石井琢朗氏が14年ぶりにコーチとして加わった。秋キャンプから指導を仰ぎ、鍛え直してきた。

 「基本的にセンター方向に出力を出す、上げられるようなスイングに取り組んでいる」。しっかりポジション争いに入っていけるよう練習を重ねる。

 外野手は昨季打率3割を超えた桑原将志、佐野恵太など力のある選手が並ぶ中に、移籍選手や有望な新人も加わった。「試合でもそうだが、ポジション争いでも勝負に勝つということをやっていきたい」。負けん気を前面にチーム内競争の先のスタメン入りを見据える。
 (謝花史哲)