銃武装ものものしく 抗議デモの警備想定か、那覇軍港、米軍訓練


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抗議活動を想定したとみられる警備訓練を行う米兵ら=8日午後3時52分ごろ、那覇市の那覇港湾施設(喜瀨守昭撮影)

 普段は静かな米軍那覇港湾施設(那覇軍港)が、ものものしい雰囲気に包まれた。8日に同軍港で始まった在沖米海兵隊の訓練。海兵隊によると訓練が本格化するのは9日以降だが、8日も米軍機が騒音を響かせながら飛来し、デモに対する警備訓練とみられる様子が確認された。軍港沿いの歩道には市民団体メンバーら十数人が集まり、訓練に抗議した。

 市民「不安与える」

 午前10時10分ごろ、CH53E大型輸送ヘリ1機が西側の洋上から飛来した。銃で武装した兵士ら約20人を降ろし、飛び去った。午後4時55分には垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ1機が飛来し、約20人が降り立った。

 軍港内の建物周辺には鉄条網が設置され、銃で武装した兵士が警備するように配置された。鉄条網を挟んで私服姿の男性らがプラカードを持ち、何かを叫びながらデモのような動きを繰り返した。プラカードには「U.S EMBASSY DISTURBS THE PEACE(米大使館は平和を乱す)」「AMERICANS ONLY Bring War(米国人は戦争をもたらすだけだ)」などと書かれていた。

 訓練を見ていた沖縄平和市民連絡会の北上田毅さんは「海外の米大使館に対する抗議行動を想定した治安維持訓練に見える。沖縄の米軍基地反対運動も想定しているのではないか」と推測し、「街中での訓練は住民に不安を与え許されない」と批判した。

 同会の真喜志好一さんは「米軍は民間港で物資輸送などをしており、那覇軍港は遊休化している。『使用している』とのアピールの意図もあるだろう」と指摘した。
 (伊佐尚記、塚崎昇平)