番組の影響「心ない人々が言われなき攻撃」ニュース女子控訴審、辛淑玉さん陳述


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 【東京】東村高江周辺のヘリコプター発着場(ヘリパッド)建設への抗議行動を取り上げたテレビ番組「ニュース女子」で名誉を傷つけられたとして、ヘイトスピーチ反対団体共同代表の辛淑玉さんが制作会社のDHCテレビジョンなどに損害賠償などを求めた控訴審の初回口頭弁論が8日、東京高裁(渡部勇次裁判長)であった。

 番組司会を務めたジャーナリスト長谷川幸洋さんへの名誉毀損の訴えなどを一審が退けたため、辛さんは控訴。長谷川さんとDHC側も一審判決を不服として控訴している。

 この日の口頭弁論で、辛さんは番組の影響で受けた嫌がらせなどに言及しながら意見陳述した。辛さんは「私たちは親子3代にわたって、この社会の一員として生きている。ところがレイシズムに染まった一部の心ない人々によって、国家国民の敵とされて、言われのない攻撃を受けている。この事実に深く思いを致していただきたい」と裁判所に求めた。

 高裁はこの日の初回弁論で結審する意向を示したものの、長谷川さん、DHC側が辛さん側の主張などに反論、反証の機会を求めたため、合議で再度、弁論を開くことを決めた。次回の3月22日で結審する見通しだ。