沖縄のヤングケアラー1088人 523人は「学校生活に影響」 実際さらに多数か 学級担任に初調査


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 県は10日、県内の小学5年から高校3年までの学級担任を対象に実施したヤングケアラーに関するアンケートの結果を発表した。ヤングケアラーと思われる子どもが少なくとも1088人(全児童生徒の0・86%)確認され、少なくとも523人は学校生活に影響が出ていた。県がヤングケアラーの調査を行うのは初めて。
 
 ヤングケアラーは、大人が担うような家事や家族の世話を日常的に行う18歳未満の子どもを指す。家事や介護で子どもの自由な時間が奪われ、学業や進路に影響が出たり、健全な人間関係の構築を阻まれたりするとして、支援が必要という認識が広がっている。

 ヤングケアラーと思われる子ども1088人の内訳は小学5・6年生239人、中学生508人、高校341人。「○人~○人」など概数での回答もあったため、県は最少の数字で発表した。実際はさらに多い。

 ケアの状況別では「家族の代わりに幼いきょうだいの世話をしている」が43・6%で最多だった。「障がいや病気のある家族に代わり、家事をしている」が13・8%、「目を離せない家族の見守りや声掛けをしている」が7%、「家計を支えるためにアルバイト等をしている」が7%と続いた。学校生活への影響は「休みがちである」(20・2%)、「精神的な不安定さがある」(15%)、「遅刻や早退が多い」(13・2%)、「学力が低下している」(13・2%)などの回答が多かった。

 県は「影響が出ている子どもを最優先として詳細なアセスメント(課題分析)を行うことや、影響が出ていない子どもらの状況が悪化しないよう見守りを行うなど、関係者の役割分担などを早急に整理し、具体的な対応が求められる状況だ」と指摘した。

 調査は昨年11月10日~12月8日の間、学級担任4380人を対象に実施し、3082人から回答を得た。回答率は70・4%。
  (稲福政俊)