「悲惨な事故起こさないように」浦添多重事故、運搬業者で広がる安全管理


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多重事故を受け安全管理を模索する別の産廃運搬業者の男性役員=10日、浦添市

 母子2人が亡くなった多重事故を受け、沖縄県内で産業廃棄物を運搬する本島南部の別の事業所では、従業員の交通安全指導や健康管理に一層取り組んでいる。

 事故に衝撃を受け、安全管理を模索してきたこの事業所の40代男性役員は、事故現場で手を合わせた。同社はダンプカーや特殊車両など約20台を所有し、本島全域で運搬を担っている。従業員には外国人や高齢者もおり、運転技能や車両特性、交通規則の習熟度をチェックしている。また、検温やアルコール検査を毎日実施。事故後この1年は無事故、無違反が続く。「朝礼やミーティングで、健康状態について従業員間で声掛けをしている。不安があれば即時面談を欠かさない」と強調する。

 男性役員によると、繁忙期には一部のドライバーや車両に業務が集中しないよう調整し、負担の分散を図っている。長距離の場合は補助ドライバーを付け、2人1組で突発的な体調の変化にも対応できるように交代制を取る。従業員の安全意識も向上しているという。「悲惨な事故を起こさぬよう、会社と従業員が一体となった態勢づくりに取り組みたい」と気を引き締めた。

 (高辻浩之)