宮古島文学賞に馬場広大さん「山の女」 島をめぐる物語


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一席に決まった馬場広大さん(宮古島市文化協会提供)

 【宮古島】宮古島市文化協会(饒平名和枝会長)は4日、「島」がテーマの短編小説を募集した「第5回宮古島文学賞」の入賞作品を発表した。馬場広大さん(28)=宮崎県=の作品「山の女」が一席に選ばれた。

 同賞は宮古島の文芸活動振興などを目的に創設された。今回は全国19都道府県から79作品の応募があった。二席には仲間望さん=北海道=の「夜行島」、佳作に鳥光宏さん=千葉県=の「―銀游回帰―スクが来た!」が選ばれた。

 馬場さんの受賞作「山の女」は、悲恋の死を遂げた女性を供養する盆踊りが開かれる島を舞台に主人公が息子や島の住民とのやりとりを通し、自分の人生への思いを深める様を描いた。

 最終選考委員は作家の椎名誠さんと児童文学作家のもりおみずきさん、作家の大城貞俊さんが務めた。3日に東京と沖縄本島、宮古島をインターネットで結びオンラインで行われた。

 饒平名会長は「回を重ねるごとに島を切り口に多種多様な物語が紡がれるなど特徴ある地方文学賞として文学の力を刻みつつあると感じている。今後とも、多くの意見を取り入れながらよりよい運営に努めたい」と語った。

 入賞作は市文化協会のホームページに掲載する。授賞式・祝賀会は新型コロナ感染防止のため中止が決まっている。

 (佐野真慈)