40歳以下の若手建築士の育成を目的に県が主催する設計競技「ティーダフラッグス2021」の最終審査会が9日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホールで開かれた。沖縄戦跡国定公園の大度園地(糸満市)内にある公衆トイレと休憩所の設計が課題。35組の応募の中から、金賞にアトリエ門口の大城良介さんと仲川凜さんの作品「『路(みち)』に集う」が選ばれた。
海岸沿いにある大度園地内のトイレと休憩所は1993年に建設されたが、塩害などの影響で老朽化が進行している。
大城さんらの作品は、敷地の細長い形状に合わせて東西にトイレと休憩所を離して設置。挟まれた空地を「路」でつなげた。一帯にはピクニック広場や舞台を設け、近隣住民だけでなく来訪者や観光客もくつろげる憩いの空間を創出する。園内から海岸が眺望できるように、各施設の角度や機能にもこだわった。
大城さんは「大度海岸の新たなランドマークとしてさまざまなコミュニケーションが生まれる場にしたい」と語った。大城さん、仲川さんは県と調整した上で2022年度から設計に着手し、25年度内の完成を目指す。
学生賞には琉球大環境建設工学科の安谷岳さん、比嘉龍一さん、比嘉志緒里さんの「マモルヒカリ」が選ばれた。
他の受賞者は以下の通り。(敬称略)
【銀賞】玉城力(根路銘設計)
【銅賞】豊崎孟史(GAB)
(当銘千絵、写真も)