沖縄県竹富町が発注した水道施設整備事業の入札を巡り、特定の業者に予定価格などの情報を事前に漏らした疑いが強まったとして、県警捜査2課が官製談合防止法違反などの容疑で、西大舛高旬町長らを逮捕する方針を固めたことが12日、捜査関係者への取材で分かった。県警は13日にも着手し、業者との間で金銭の授受などがなかったかについても、慎重に捜査を進める方針。
捜査関係者などによると、西大舛氏は東京都内に本社を置く大手業者に数億円規模の町発注工事に関する入札予定価格などの秘密情報を漏らした疑いが持たれている。
西大舛氏は入札に関する予定価格などを最終決定する決裁権者だった。
県警は18年ごろから内偵捜査を開始し、西大舛氏と業者関係者らが飲食を共にする様子などを確認していた。大手業者はこれまでに複数回にわたり町発注工事を落札していた。県警は家宅捜索で関係資料を押収する方針で、西大舛氏による情報漏洩(ろうえい)が他の発注工事でも行われていなかったかについても調べるとみられる。
竹富町の竹富島と黒島などには島内に給水施設などがなく、海底送水管を利用して、石垣島や西表島から給水を受けている。水道施設整備事業は2015年に開始。25年までの10年間で、老朽化した海底送水管の更新や耐震化などを図る目的で実施されている。
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