国場組、従業員の賃金3%以上引き上げ 22年度入札新制度に対応


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国場組本社のビル=2020年、那覇市久茂地

 沖縄県内建設最大手の国場組(那覇市、玉城徹也社長)は14日までに、2022年の社員1人当たりの賃金を対前年比3%以上引き上げると発表した。従業員の賃上げを決めた企業が公共工事などの入札で有利になる新たな制度を政府が22年度以降に始めることから、同制度への対応も含め賃上げを実施する。

 国場組の担当者は「新型コロナウイルスの影響下でも一定の業績は確保できている。社員の労に報いたいという思いと、税制など経営上のメリットもあると判断して実施する」と話した。賃上げの方法について、賞与や各種手当ての見直し、定期昇給の実施などを想定している。

 政府は22年度以降、価格だけでなく技術力なども評価して落札者を選ぶ「総合評価落札方式」の中で、入札参加企業の賃上げ表明を新たに加点の対象とする。大企業は1人当たりの平均給与額を3%以上、中小企業は給与総額を1・5%以上引き上げることを要件とする。

 国交省の資料によると、従来の加算点が40点満点の場合新たに3点を加え、43点満点となる。既に大手ゼネコンでも、鹿島建設や大成建設が3%以上の賃上げを表明している。表明した通りに賃金を上げたかどうかも政府が確認し、未達だった場合はその後の1年間の入札で大きく評価を下げる。 (沖田有吾)