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発展途上国に古着200枚分 豊見城南高校の教諭とPTA ポリオ接種や雇用創出を支援


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国際貢献で、古着を海外に送った豊見城南高校の上運天亜希子教諭(左端)とPTAの事務員ら=9日、同校

 【豊見城】豊見城南高校の教職員とPTA(山口信江会長)が自身ができる範囲で国際支援をしようと、発展途上国に古着を送る活動に取り組んだ。9日、呼び掛け人の上運天亜希子教諭(36)やPTAの事務員らが、各家庭から持ち寄った子ども用の服や手提げバッグなど約200枚分を袋に詰め込んだ。

 古着はミャンマー、ラオス、ブータンなどの支援に取り組む「日本リユースシステム」を通じて、各国に送られる。

 公民を担当する上運天教諭は一昨年、育休を取得。ママ友たちと子ども服をもらったりあげたりしている中で、服の購入がままならない国に思いをはせた。「1年に1回、国際貢献」との思いから、自宅で不要となった服を海外へ送った。

 復職し、同僚に声を掛けた。PTAが賛同し、約100枚の服が入る1枚3300円の大きな袋を2枚、日本リユースシステムから購入した。

 古着は現地で販売され、売り上げの一部が現地の子どもたちのポリオワクチン接種に活用される。この取り組みは「古着deワクチン」の名称で2010年に始まり、19年には政府主催のジャパンSDGsアワードを受賞した。古着は現地の人が仕分けや販売をするための雇用創出にもつながるという。

 上運天教諭は「自分にできることを考えてやっていきたい」と語る。その上で「生徒主体で社会問題について考える機会もつくっていきたい」と話した。
 (照屋大哲)