79歳から22歳へ 老舗写真館の継承につながった偶然の出会い コザの街記録「あと50年頑張れ」


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 【沖縄】沖縄市中央の中部写真館で6日、先代の店主の久場良信さん(79)から渡慶次豊さん(22)へ店舗引き継ぎ式が行われた。コザ・パルミラ通りにある写真館は1971年、旧日の出通り会にオープン以来、街のお祭りや人々の記念日などを撮影し続けてきた、半世紀続いた老舗だ。

店舗前で(左から)母親を撮影したフィルム写真を持つ久場良信さん、自身が撮影したデジタル写真を持つ渡慶次豊さん=6日、沖縄市中央の中部写真館

 中部写真館では初代の沖縄市の観光PR親善大使「ミスハイビスカス」を1975年から現在まで記録撮影も行ってきたが、時代はフィルムからデジタル、スマホに変化した。

 50周年の佳節を迎えた昨年、閉店を決意した。

 店舗前で古い機材を解体していた時、偶然通りかかった渡慶次さんから声を掛けられ親交が始まった。

 「変わりゆくコザに根付いたお店が無くなるのはもったいない」と感じた渡慶次さんは、写真館を引き継ぐ決意をした。

 友人らを招いた引き継ぎ式で久場さんは「店名が残ることがありがたい。渡慶次さんが引き継いだので安心だ。あと50年は頑張ってほしい」とエールを贈った。

 渡慶次さんは「フィルムの良さとデジタルの良さを生かしてお客さまに対応していきたい。コザの街を体験したお客さまの記憶を写真に残していきたい」と抱負を述べた。

 再オープン日は3月6日の予定。営業時間は午前11時~午後8時。不定休。住所は沖縄市中央1の17の18。問い合わせは(電話)080(3189)6785。

 (喜納高宏通信員)