【浦添】沖縄県浦添市の浦西自治会(宜野座富夫自治会長)の事務所で11日、65歳以上の自治会員67人が3回目の新型コロナウイルスワクチンを接種した。自治会の働き掛けで自治会事務所を接種会場にした例は、県内初とみられる。接種を終えた川満廣政さん(77)は「ほっとした。病院に行ったら3~4時間待たされるけど、15分で済んでよかった」と話した。
浦西自治会では高齢者がスムーズにワクチン接種できるよう、初回の接種から自治会員が予約を代行した。市のデマンドバスを予約して接種会場へ送り届ける手助けもしてきた。
宜野座自治会長は自治会事務所でもワクチン接種ができないかと考え、近所で訪問診療を展開するアイビーホームケアクリニックの国仲慎治院長と調整を進めた。昨年11月には、インフルエンザワクチンの集団接種を自治会事務所で初めて実施。そのノウハウを生かし、コロナワクチンの接種が実現した。
2月発行の自治会広報誌「うらにし」で、自治会事務所でのワクチン接種について呼び掛けると、定員60人に対し、希望者は数日で100人に上った。11日に会場を訪れた高齢者からは「地域で接種できるのはありがたい」との声が多数寄せられた。
宜野座自治会長は「お年寄りにとっては予約を取って、接種会場に行くのが負担になる。地域で一括してできれば、接種希望者も増えると思う」と話した。
国仲院長はこれまで、接種会場に行けない高齢者の自宅に出向いてワクチンを接種していた。「1カ所で67人も打てたのはよかった。接種時の受け付けも自治会がやってくれて助かった」と話した。
浦西自治会では今回接種できなかった高齢者についても、別の会場での予約手続きを代行している。
(比嘉璃子)