航空自衛隊那覇基地内の水路でPFOS基準超 1月の水質調査


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
航空自衛隊那覇基地(2021年3月)

 航空自衛隊那覇基地が1月に基地内の水路で実施した水質調査で、発がん性の恐れなどが指摘されている有機フッ素化合物PFOS(ピーフォス)、PFOA(ピーフォア)の合計値は下流で水1リットル当たり63・7ナノグラムだった。環境省の暫定指針値(水1リットル当たり50ナノグラム)を上回った。調査は、昨年2月に同基地からPFOSなどを含む泡消火剤が流出した事故を受けて実施した。

 水路内の上流側での両物質の合計値は水1リットル当たり18・4ナノグラムで、指針値を下回った。水路の調査は事故後、今回で5回目。事故から約1年がたつが、過去4回の調査結果を含め、上流または下流で指針値を超えるPFOS・PFOAが検出され続けている。

 那覇基地は取材に対し、水路のPFOS・PFOAが指針値を超えていることと事故との関係について「分析していない」と答えた。

 那覇市は「水路の調査で指針値を超える場合は原因究明と対策に取り組むこと」を要請しているが、同基地は取材に「(非PFOS薬剤への)入れ替えや処分は計画に基づきやる。個別具体的にそれ以上やる計画はない」とした。

 市によると、事故時に基地内水路から回収されたPFOS・PFOAを含む汚染水は、1月18日に基地内倉庫から県外の処分業者に搬出されたと報告があった。21日に開かれた市議会2月定例会一般質問で玉寄隆雄環境部長が湧川朝渉氏(共産)に答えた。

 那覇基地は8日にホームページで調査結果を発表した。(伊佐尚記)