議会アプリ、西原町も登場 琉大生2人が開発「投票の参考に」 南風原アプリの玉城さんも協力


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非公式西原町議会アプリを開発した琉球大学の城間亮太さん(右)とアプリ開発のノウハウを提供した玉城陽平さん=16日、西原町の琉球大学

 【西原】琉球大理学部3年次の城間亮太さんと農学部4年次の伊佐さんが、有権者と西原町議会をつなぐ「非公式西原町議会アプリ」を開発した。定例会一般質問でのやりとりや議員の居住地、所属政党などが載っている。ことしは改選の年にも当たっており、2人は「多くの有権者に投票の際の参考にしてほしい」と活用を呼び掛ける。

 アプリは町の議会だよりなどで公開されている情報を基に、2021年に開かれた4回の定例会での一般質問と執行部の答弁、議事録を分野別、議員別、会期別に公開している。議場での発言や重視する分野が確認でき、有権者は自分の考えに近い議員を見つけ出すことができる。

 アプリ開発のきっかけは20年7月の町議会議員補欠選挙。候補者を選ぶ際に参考になる情報が少なく「選ぶ基準がなかった。自分が重要と考える政策と候補者をマッチングさせるアプリがあれば苦労しないと思った」(伊佐さん)と振り返る。

 幼い頃から国会中継を見るのが“日課”だったという城間さんは「政治の世界で一番身近な存在が町議会。アプリ内の情報は公平性が担保されている。有権者だけではなく、議員も活用してほしい」と語る。

 2人は知り合いではなかったが、昨年8月に塾講師の玉城陽平さん=南風原町=が「非公式南風原町議会アプリ」を開発したことを新聞などで知り、同じタイミングで玉城さんに連絡を取ったところ、玉城さんが2人をつなげた。2人はその後、玉城さんが無償で公開しているノウハウとデータを参考に昨年12月から約2カ月かけてアプリを完成させた。

 2人をつなげた玉城さんは「若い世代が地元の議会アプリを開発したことの意義は大きく、地域の課題解決に向けた一つの手段になる」と語った。

 城間さんと伊佐さんは今後も会期ごとに情報を更新する考えで、情報収集やデータの打ち込みを含めて共に作業に加わってくれる仲間を募集している。アプリはhttps://deafening-fork-2868.glideapp.io/から見ることができる。
 (吉田健一)