メモ止め天井仰ぎ…勝ち気さ陰潜め 前宮古島市長、有罪判決に 陸自用地めぐる贈収賄


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那覇地方裁判所(資料写真)

 陸自宮古島駐屯地の用地取得を巡り収賄罪に問われ、有罪判決を言い渡された前宮古島市長の下地敏彦被告(76)。主文を読み上げる小野裕信裁判長を正面から見据え、淡々とした様子で聞いた。ただ、現金を「政治資金として受け取った」などとした無罪主張は退けられ、厳しい表情を見せた。

 午前11時ごろ、スーツ姿で入廷し、しっかりとした足取りで弁護側の席についた。やせ細っていた初公判の時と比べると、少しふっくらした様子をうかがわせた。

 判決の内容をメモしていたが、途中でペンを置き、裁判長をじっと見つめたり、天井を見上げたりしていた。椅子を時折揺するなど落ち着かない様子もあった。

 言い渡し後、小野裁判長は配備受け入れ表明について「自ら政治判断をしたが、それに関して現金を受け取った場合は、配備に賛成、反対する方からも疑問を持たれる行為だったのではないか」と説諭し、下地被告は静かに聞いていた。傍聴席から「恥を知れ」などと声が上がった。退廷後、記者団に囲まれると「しっかり判決文を見て、どうするか決める」と声を絞り出すように語り、現職時代の勝ち気な姿勢は影を潜めていた。