オリックスの比嘉幹貴、開幕へ準備入念 入団13年目、いぶし銀の救援投手<ステップアップ>


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若手に負けじと腕を振るオリックスの比嘉幹貴=宮崎市(球団提供)

 救援一筋。オリックスの仕事人、比嘉幹貴(コザ高―国際武道大出)がリーグ2連覇を目指し、勢いに乗るチームを今年も支える。昨季もワンポイントリリーフを数多くこなし、必勝パターンの一角を務めた。「特に挑戦したいことはない。チームに与えられた役割を全うすることが一番大事なポジションだと思っている」。立ち位置を見定め、衰え知らずのベテランは若手に負けじと、春季キャンプで意気揚々と腕を振る。

 39歳で入団13年目を迎えた。「年齢も重ねてきた。まずはけがをしないような体づくりに重点を置き練習している」と入念な準備を進める。

 昨季は32試合に登板して防御率1・77。11ホールドで2年ぶりに白星を挙げ、日本シリーズでは初登板勝利もマークした。それでも「与えられた役割という部分では、登板内容などを見るとまだまだ」と首を振る。

 初めてリーグ優勝を経験できたことには「その輪の中にいられたことは、うれしかった」と振り返る。入団して長くBクラスにとどまり辛酸をなめた。低迷が続くチームで仲間たちと踏ん張ってきただけに「その一員になれたという点は非常に良かった」と感慨深げだ。

 ここ一番で光る投球も、これまでの積み重ねがあってこそ。一番やってはいけないことや求められる投球は何か。「状況判断を怠らないようにし、整理してからマウンドに上がるようにしている」という。対戦が想定される相手の特徴や試合展開を含め頭を整理し「意図したボールを投げきることだけに集中する」ことが打者攻略の糸口だ。

 同郷の宮城大弥の活躍も刺激になっている。「あと一歩届かなかった日本一を目指し、またチーム一丸となって戦っていきたい」。いぶし銀のリリーバーが今年も周到な準備で気持ちを研ぎ澄ませていく。(謝花史哲)